黄色いフェラーリ360モデナに、「360SX」のバナー。もちろん日産180SXのパロディだ。ポーランドでこれを見た瞬間、僕らは確信した。このショー、ノリが完全にわかってる。
そもそも僕らは、大西洋を渡る便に1日早く飛び乗ったのに、それでもゲートが閉まる寸前だった。段取りの悪さには定評がある。でもULTRACEは、その移動の1時間1時間に見合うイベントだった。2025年6月末、ヴロツワフのタルチンスキ・アリーナを囲む広場が会場。いまやヨーロッパ最大級のチューニングショーで、どう見てもワールドクラスだ。
【データ先出し】ULTRACE 2025のすべて
- 日程と会場: 2025年6月28日・29日、ポーランド・ヴロツワフのタルチンスキ・アリーナ前の広場。テーマは「Running From Nothing」。
- エントリー: 主催者が数千件の応募から選んだ約1000台。さらにスタジアムの3フロアを使ったパーティー「Night Experience」も。
- ベスト・オブ・ショー: オオハシ・カズキ(Kazuki Madlane)と、クレーマーK4をモチーフにした白いポルシェ935ML。ファイナリスト16台の全員に賞品が贈られた。
- ホール・オブ・レジェンド: 初期からショーを支えた4人、マイク・コジエル、The Kyza、オオハシ・カズキ、マット・カーター(Stancefaktor)にリングが贈られた。
- ドリフトショー(Ultrace PA): 黄色いフェラーリ360(冒頭の「360SX」)のArios Suzuki、白いマクラーレンのSultanFQ、BMW E36のAdam LZ。
- ヒーローカー: ブガッティEB110スーパースポーツ2台、ブガッティ・ディーヴォ、ジャガーXJ220、マセラティMC12コルサ、ケーニッヒ・スペシャルズのフェラーリ・テスタロッサ、ゲンバラ・ミラージュGT、ユルゲン・アルツェンのGT40、そして齋藤太吾の日産ローレル。そう、僕らがD1GPエビスでGRスープラを見た、あの齋藤太吾だ。
- パートナー: Rennmeister、BMW、アルピーヌ、ポルシェ。
出典:ULTRACE公式の2025年版ページ、Classic Driver。写真:One Breath Pictures。
【ヨーロッパ流JDM】日本車がこう料理されるとは
いちばん衝撃だったのは、ヨーロッパの人たちの日本車の解釈が、本国とまるで違うことだ。フルエアロの青いRX-7 FD3Sは、アリーナの壁際で地を這うように構えていた。赤いR34 GT-Rには、記念品の日本風ナンバーと天を突くようなウイング。日本の読者なら、そのナンバーにツッコミを入れたくなるかもしれない。それも含めて楽しい。
シルビアに、トレーラーで運ばれてきた180SX、「Style Bangers」のバナーを掲げたS14。ポーランドでもドリ車文化はしっかり生きていて、出店のテントの上には日本語の横断幕までかかっていた。
フェラーリまでこのノリに乗っかっていたのは、冒頭で話したとおり。@arios_suzukiの黄色い360モデナがこれだ。
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【選考制】数合わせのクルマがいない
ULTRACEは「誰でも停めていい駐車場イベント」じゃない。主催者が数千件の応募から1000台近くを選ぶ。列を歩いているだけでそれが伝わってくる。数合わせのクルマはほとんどなくて、どれもオーナーの最高傑作だ。2日間通してスタジアムの駐車場ではドリフトショーが行われていて、週末じゅう展示エリアにタイヤスモークが流れてくる。
お気に入りの2台もここにいた。Seven LabとAdroのパーツをまとったティールのBMW M4。そしてゲオルク・プラザが走らせたJudd V8のE36 M3。こっちは話が長くなるので単独の記事にした。
【欧州アイコン】ラーダが主役を張る国
ヨーロッパ車も負けていない。英国ナンバーの黒いE30 M3、ルーフボックスを積んだE39 M5(会場でいちばん実用的なショーカーで間違いない)、ボンネットを開けたメルセデス・ベンツW124セダン。
そして、ポーランドのシーンならではの2台。深リムで地面すれすれまで落としたクラシックなラーダだ。1台は真っ赤でピカピカ、もう1台は深いバーガンディ。しかもこのバーガンディ、ボンネットの中身はマツダRX-8のロータリー!ポーランドのストリート勢が載せ替えた一台だ。ソ連時代のセダンが、すぐ近くのフェラーリ308と同じレベルで仕上げられている。日本で言えば、旧車の大衆セダンをスーパーカーと同じ熱量で作り込む感覚。これぞULTRACE。
【爆音注意】音量を上げてどうぞ
アメリカンV8も来ていた。中でも@tiberiu.tntのマスタングは、Corsa Performanceのマフラーから吠えまくっていて、正直、耳が追いつかないほどうるさかった。ぜひ音量を上げて。
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【ゴールデンアワー】日が沈むほど良くなるショー
日が傾くにつれて、ショーはどんどん良くなった。アリーナの外壁が輝き、リトラのトヨタMR2が人混みの中をゆっくり進み、トレーラーに載ったクルマたちがピンクの空の下で帰り支度を始める。
僕らの週末ベストは、夕暮れに撮った金色のメッシュホイールのフェラーリ308。これ一枚のために来た、と言ってもいい。
【まとめ】次は中欧・東欧がアツい
ULTRACEが教えてくれるのは、いまいちばん面白いカーカルチャーのひとつが中欧・東欧で起きているということ。大胆で、とにかくクリーンで、聞いたら驚くような予算で仕上げられていることも多い。北米から来た僕らにとっても、日本のクルマ好きにとっても、見ておいて損はない。行くなら早めに着いて、2日間まるごと確保しよう。僕らみたいに、ゲート閉鎖ギリギリで走らないように。










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