スラムドイナフはスタンスのショーだ。主役はシャコタンで、ホイールのツライチが命。そんな場所で2023年、みんなが群がっていたクルマの1台が、時間の半分を宙に浮いて過ごしているローライダーだったというのは、なかなか面白い話だと思う。紹介しよう、キャンディパープルのシボレー・モンテカルロ、その名も「Lucifer」。暗くなってから、パークウェイ沿いの駐車場で4K撮影した一台だ。
【豆知識】4代目モンテカルロとハイドロの基本
- 4代目モンテカルロ:1981〜1988年、角ばったボディでGMのFR「Gボディ」プラットフォームへ
- Gボディ:ボディ・オン・フレーム、後輪駆動、V8と相性よし。ローライダーの定番ベース
- ハイドロの仕組み:バッテリー→電動モーターとポンプ→各輪のシリンダーへフルードを送る
- ドライバーが握るスイッチボックスでどの輪を上げるかを決め、「ダンプ」で下げる
- 発祥は1959年、カリフォルニアでロン・アギーレが航空機用のポンプとバルブを自分のクルマに付けたのが始まり
【イベント】スラムドイナフ・ガトリンバーグ2023
スラムドイナフ・ガトリンバーグ2023が開かれたのは、2023年9月30日と10月1日。会場はセビアビル・コンベンションセンターで、このショーを有名にした「ガトリンバーグ」の名前はそのまま残っている。そして例年どおり、本当のパーティーは日が暮れてから。山へと続く道沿いの駐車場で、フリーフォール系の絶叫マシンと観覧車の下、夜通し盛り上がるのだ。
出典:ピジョンフォージ商工会議所:Slammedenuff(2023年10月)。
【このクルマ】キャンディパープルのGボディ
これは4代目のモンテカルロ。1981年から1988年まで作られた角ばったモデルで、GMが後輪駆動のGボディ・プラットフォームに移したクルマだ。ボディ・オン・フレームでFR、V8とも仲良し。だからGボディはローライダーのベース車として大人気になった。
Luciferが身にまとうのは、メタルフレークがキラキラ光る深いキャンディパープル。トランクリッドとルーフにはピンストライプ、ヘッドライトは紫に光り、リアウインドウにはUnique Stylesのプレート。足元はホワイトリボンタイヤを履いたワイヤーホイールだ。
出典:Wikipedia:Chevrolet Monte Carlo。
【ここがヤバい】スイッチを叩け
ローライダーをローライダーたらしめるのは、ハイドロだ。バッテリーが電動モーターとポンプを動かし、各コーナーのシリンダーにフルードを押し込む。ドライバーの手の中のスイッチボックスがどのコーナーを上げるかを決め、「ダンプ」で下ろす。バッテリーを直列に増やせば電圧が上がり、モーターが速く回って、ホップも大きくなる。本気のホッパーがトランクいっぱいにバッテリーを積み、フレームを補強しているのはそのためだ。このアイデアの始まりは1959年、カリフォルニアでロン・アギーレが自分のクルマに航空機用のポンプとバルブを取り付けたこと。
動画の中のLuciferは、ノーズを持ち上げ、テールを落とし、最後は片方の前輪を宙に浮かせて三輪立ち。まわりでは観客があらゆる角度からスマホを構えていた。
出典:Speedhunters:The Science Of Hitting Switches、Wikipedia:Lowrider。
【1年後】たぶん、あの一台
2024年大会で再訪したとき、同じピンストライプのトランクとUnique Stylesのプレートを付けたキャンディパープルのGボディが、またガソリンスタンドのミートに来ていた。たぶん同じクルマだと、僕らはかなり確信している。
あの夜のほかのクルマは夜のガトリンバーグ、ガソリンスタンド巡りで。同じ2023年の駐車場にいたV8シルビアにはEvil Silviaで会える。

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