レンズは1本だけ。プランもなし。東京をナメているとしか思えない装備で、僕らは火曜の夜の恵比寿に繰り出した。
カーミーティングも、レースもない。これは当時僕らが住んでいた恵比寿と渋谷のあたりを、カメラ片手にぶらぶら歩いた一夜の記録だ。クルマ探しと、日本という国の仕組みについてのちょっとした考えごと。TunexTVチャンネルの日本シリーズ記念すべき第1話で、散歩の全編は上の動画で見られる。
【スタート】カメラ屋で早くも敗北
夜はカメラ屋とアイスから始まる。店頭でVlog向けのLaowaの広角レンズを試したら、僕らが持ってきた1本よりも何もかもがシャープに写ってしまった。……持ってきた意味とは。
でも、東京のいちばん好きなところはすぐにわかる。どの角を曲がっても、撮られるのを待っている写真がある。
【本日の収穫】路上で見つけたクルマたち
まずはGクラス。悪くない。でも次に現れたのは、もっといいものだった。リアに観音開きのドアを持つトヨタ・ランドクルーザー70系。飾りじゃなく、今も本来の仕事をこなしている現役の道具だ。
数本先の通りには、看板らしい看板がないガレージ。あるのはトヨタ・マークIIの小さな日本語のプレートだけ。中を覗くと、珍しいトヨタたちと一緒にトヨタ・センチュリーが停まっていた。一般公開はしていない。わかる人には、わかる。
【豆知識】東京のポルシェはなぜ「全部盛り」なのか
そしてポルシェ。日本では輸入車は高価で、それを買う人は細部までとことんオプションを選び込む傾向がある。だから東京のたったひとブロックで見かける仕様が、ほかの国ならわざわざ探し回るレベルだったりする。散歩中、何度も二度見してしまった。
【寄り道】トイレと『PERFECT DAYS』
渋谷の公園を抜けると、建築家がデザインした公共トイレの前を通る。「THE TOKYO TOILET」プロジェクトのトイレで、ヴィム・ヴェンダースが映画『PERFECT DAYS』の舞台にしたあのトイレだ。
一見すると、トイレを掃除して木の写真を撮る男の話。でもその下には、ごく一部の人たちが何年もかけてトップの学校と仕事を目指す社会と、あえて静かな暮らしを選んだひとりの男がいる。日本に来る前に観ておく価値は十分ある。
【穴場】渋谷川の滝、知ってた?
恵比寿と渋谷のあいだを流れる渋谷川は、道路より一段低いコンクリートの水路の中。渋谷ストリームの近くまで来ると、その壁が橋から橋へと階段状の滝に変わる。なのに、ほとんどの人は気づかずに素通りしていく。もったいない。
【ゴール】渋谷スクランブル交差点
散歩の締めくくりは、東京に来たら一度は立ってほしい場所、渋谷スクランブル交差点。周りにはクルマ、バー、レストラン、カメラ屋やガジェットの店がぎっしり。ここで信号待ちしているだけで、もう一本動画が撮れそうだ。
その前に街をもっと見ておきたいなら、まずは「東京、11枚のフレーム」から。歴代スカイラインを探すなら「東京のスカイライン」、丸一日遊ぶなら「A PIT オートバックス東雲」へどうぞ。
東京で撮影し、2025年2月にTunexTVのYouTubeチャンネルで公開。毎日の投稿はインスタグラム@tunextvでチェックしてね。
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